若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

いろえんぴつ画講座

高校時代の美術部の友人、国立大学美術系教授S君が講師を務める、市民のための「いろえんぴつ画教室」に参加した。

二十年ほど前、妻や娘たちをモデルに、「人物画」に挑戦したことがある。
学生時代は、「ヘンな絵」ばかり描いて、展覧会で賞をもらったこともあるが、家族にほめられたことがない。
二十数年前、久しぶりに「ヘンな絵」を描いて、部屋にかけた。自分では気に入ったのであるが、絵を見て、父も母も無言であった。さびしいではないか。

で、「まともな絵」を描いて、ほめてもらおうとしたのである。
何枚か描いて、それなりにほめられるようになったところで、エレキギターを習いはじめた。最初に、「ギャ〜〜ン!」と音を出した瞬間、「私は、エレキギターを弾くために生まれてきたのだっ!」と確信した。
エレキギターの鬼と化した私は、寝食を忘れて練習にうちこみ、絵を描くことができなくなった。

惜しまれながら、泣く泣く筆を折ったといいたいが、惜しまれることなく、あっさり、にこにこポッキーンと筆を折ったのであった。

仕事をやめたら、「人物画」に再挑戦したいと思っていた。
まともな美術教育を受けていないので、今度やるなら本格的にしたい。
そこで、S君登場。
かれは、子供のころから画才を発揮して、有名画家についていた。小学生のころの作品を見ても、何を描かせても達者なものだ。当然のごとく、東京藝術大学に入学した。

それも、ただ入学したのではない。二浪したのだ。現役で入ったやつより、二年もみっちり受験勉強した筋金入りである。

卒業後、何度か、彼が絵を教えるところを見る機会があった。実に的確に指導する。話がわかりやすいのに感心した。

ウデも達者だが、クチも達者だ。
クチの方が達者かもしれない。

先日、安井曽太郎や、小磯良平みたいな人物画が描きたいのだがと相談したら、よっしゃ!お安い御用、まかせなさいときた。
9月から引き受けた市民講座があるので、それに参加したらよかろうといってくれた。
ありがたい!これで私も一流画家の仲間入りと張り切っていた。
ところが、届いた案内を見たら、「皆で描こう!いろえんぴつ画講座」
「油絵入門」ではないのか。(-_-;)

かっくんときた。どうしようかと思ったが、彼も伊達に二浪したわけではなかろう。私を安井曽太郎にする秘策があるのだ。