若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

手術

安倍総理辞任どころではない大ニュースを忘れていた。

先週のレッスンの時聞いたのだが、Y森さんが入院する。
10月半ばから、2週間入院して、手術である。

リズム感を調整するそうだ。
これまでも、たびたび書いてきたが、Y森さんは、高音の美声に恵まれているのだが、リズム感に恵まれているとはいえない。

持ってまわった言い方だが、小学唱歌くらいは、ちゃんと歌えると思う。

Y森さんの小学唱歌は、聞いたことはないし、聞きたくもないが、まあ、「春の小川」や「ちょうちょ」あたりなら、まともに歌えるのではないかと思う。

と言って、ヤマハの発表会で、私のエレキ伴奏で「春の小川」を歌うわけにもいかんでしょう。

ここ数年、熱心にレッスンを受け、尊師もあらゆる手を使って矯正に努めたが、うまくいかず、ついに、ヤマハ音楽教室付属病院で外科的処置を取ることになった。

まず、鼓膜を切り取って、和紙に張り替える。
ヤマハの研究では、人工鼓膜には和紙が一番いいそうだ。

次に三半規管を切除して、人工三半規管に置き換える。
水晶発信装置、いわゆる「クォーツ」装着、グリニッジ標準時年間示差±0.00001ナノ秒という、NASA仕様の精度を誇るものである。

Y森さんは、人間メトロノームとなって復活するのだ。
リズムマシン内臓人間」と言ってもよい。

自慢のハイトーンに、精確極まりないリズム!
鬼に金棒だと思うのだが、Y森さんはぜいたくだ。

ついでに、声帯の手術もする。
なめらかなハイトーンボイスだけでは飽き足らず、声帯にアタッチメントを取り付けて、森進一みたいなハスキーボイスも出るようにするというのだ。
スイッチを押すと、声帯に鳥肌がたち、ざらざらになる。
すると、ああいう声になるらしい。

ハスキーボイスで有名だった女性歌手ヘレン・メリルは、「ニューヨークのため息」と言われたが、Y森さんは「奈良のため池」と言われるだろう。

退院の時、Y森さんは、すばらしいリズム感を見せびらかすため、四分の五拍子のリズムにのって、スキップしながら病院を出てくると思う。

「ごいっしょに、どーぞっ!」と言われたら困るから、四分の五拍子のスキップを練習しておこう。