しゃぼんだま遊びをしている子を見かけた。
しゃぼんだま遊びは、楽しい。
作り出す楽しさがある。
ぷーっと、息をはくだけで、無から有を生じる的、マジシャン的楽しさが味わえる。
そして、自分が生み出したものが、勝手に飛んでいく。
汗まみれになってがんばらなくても、飛んで行ってくれる。
命を吹き込んだ感じである。
子供でも、「立派なしゃぼんだま」を作ることが出来る。
できばえを批評されることはない。
「なんだ!そのしゃぼんだまは!ひろし君のを見てごらん!」などと言われることはない。
子供にとって、「立派なもの」を作るのは難しい。
長女が、折り紙の「やっこさん」作りに燃えたことがある。
2歳半ばのころであった。
おばあちゃんが、折り紙の真ん中に鉛筆で印をつけて、「まんなかにまんなかに折っていくのよ」と教えたのだ。
まだ無理だろうと思ったが、娘の「折り紙魂」に火がついた。
猛烈な勢いで、やっこさんを作りだした。
もちろん、うまくいかない。
「ンキ〜〜!」と、金切り声を発しながら折り続けた。
困ったもんだ。
「キーキー言うならやめなさい。キーキー言わんでいいよ」
私たちが、しょっちゅうそう言うものだから、娘は、自分で、「キーキー言わんでいいよ。キーキー言ったらダメよ」と言いながら、やっこさんを折るようになった。
すぐに、B級やっこさんの山ができた。
一ヶ月ほどたったころだろうか。
会社から帰ると、家内が、「やっこさん、見てやって」と言った。
おお!
こ、これは!
立派なやっこさん!
感心してしまった。
なにしろ、私は、その前の年、日本親ばか協会大阪支部に入会し、入会直後から、協会のホープとして注目を集め、二年目にして、「親ばか王」の座を狙う勢いだったのである。
「う〜ん、二歳の子供でも、やればできるんやな〜!」
感激のあまり、震える手でやっこさんを捧げ持ち、涙を浮かべる私の横で、娘は、照れたような顔をしていました。
しゃぼんだま作りに、そんな苦労はいらない。
息子がヨチヨチ歩きのころ、風呂に入れていたら、あっと言う間もなく、セッケンを飲み込んだことがある。
しまった!と思った次の瞬間、息子はプープーとおならをした。
と、息子のお尻から、しゃぼんだまが、二つ、三つと飛び出したのには驚いた。
(絶対にまねをしないで下さい)