若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

クリスマス

朝から整骨院に行った。

ドアを開けてびっくり、サンタさん。
受付の若い女性二人が、サンタクロースの格好をしていた。

入ってくる人それぞれに、失笑、苦笑、ひやかし、反応は様々である。
80代と思える女性が入ってきて、診察券を渡したが、サンタ衣装には無反応で、待合室のいすに腰をかけた。

拍子抜けしたのだろう、受付の女性が、わざわざ老婦人の前に行って両手を広げて見せた。
無反応。

「○○さん、サンタさんなんですよ〜!」
「・・・え・・・ああ・・・気づかんかったワ」

受付の女性たちは、普段は白い上着とズボンだ。
今日は、若い方は、それに赤いサンタ服を羽織っていた。
もう一人の、細い背の高い女性は、サンタ服に赤い超ミニスカートに黒いタイツという、ヘンなスタイルであった。
しかし、黒いタイツで救われる。

赤い超ミニスカートには、よくない思い出がある。
母が入居している施設での、何年か前の「お遊戯会」だ。
ときどき、入居者を集めて、スタッフが「余興」をする。

その日、施設に行ったら、「今から、『ウサギと亀』をやりますので、どうぞごいっしょにごらん下さい」と広間に案内された。
母の隣で、入居者の老人たちに混じって見学。

「ウサギと亀の始まり始まりー!」
飛び出したウサギを見て驚いた。

当時、施設には、福祉の専門学校を出たばかりの若い女性スタッフが三人いた。
三人とも非常に背が高く、私は陰で彼女たちを「アマゾネストリオ」と呼んでいた。

ウサギ役は、そのうちの一人だった。
ウサギにふさわしい白い服はいいのだが、スカートが、実にまったくの超超ミニであった。
そういう衣装しかなかったんでしょうな。
そして、その子も、客は認知症のお年寄りばかりだから、まあいいか、と思ってたんでしょうな。

私は、超超ミニに驚いたが、彼女も、老人たちの中に私を発見して驚いた様子であった。
もちろん私は、ウサギさんにしか見えませんよ、という顔をしていた。
あなたは、超超ミニスカートの女性ではない。
ウサギさんです。

私の親心は通じなかった。
彼女は、「わーい!亀さ〜ん!」とセリフをいいながら、しきりに、ギュウギュウ、スカートを引っ張る。

「遅いなあ、亀さん」ギュウギュウ。
「あ!大変だ!寝過ごした!」ギュウギュウ。

実に気まずいお遊戯会であった。