今日から、油絵教室に行く。
3月までのコースで、二人のモデルを6回ずつ描くという人物画講座だ。
先生は、80過ぎの、小柄な、髪の毛もしゃもしゃの、仙人みたいな人で、一目で好感を持ってしまった。
私は、学生時代美術部だったが、指導を受けず、石膏デッサンもせず、好き勝手に描いてただけなので、油絵を描いてたとはいえないように思う。
油絵の具で描いてた、あるいは、油絵の具を塗ってた。
先生に、そういうことや、写実的人物画を描きたいことを申告。
生徒11人のところへ、私が新加入した。
25年続いた講座で、古い人は20年通ってるそうだ。
男は3人で、主力メンバーは、70前後と思えるパワフルな女性たちである。
世話役の女性から、「若い人が入ってうれしい」と言っていただいた。
母のいる施設に行っても感じるが、私はまだまだ若いのね。
さて、いきなり「裸婦を描く」と言われて、意表をつかれた感じだが、考えて見れば、油絵に裸婦は定番だ。
だいたい、どこの人物画コースでも、裸婦と着衣のかわりばんこらしい。
先生が、モデルさんを、複雑なかっこうで座らせる。
描きにくいではないか。
もうちょっと単純なポーズにしてくださいとも言えず、胸から上を描くことにする。
描いていたら先生が、人物を描きたいんなら、まず全身を描きなさいという。
なるほど、こないだ買った『人物画の描き方』にもそう書いてあったな。
しぶしぶ全身を描く。
描きにくい。
モデルは、「去」という字に似た格好で座ってる。
何とか描いたところでまた先生がやってきた。
「骨格とか人体比率とか考えてますか」
「考えてません」
私の絵筆を取って、自分で描きながら、「頭がこうあると、ここからここまでと、ここから脇の下までとが同じ長さで、この長さとこの長さがいっしょで、これとこれが・・・」
いっぺんに言われてもおぼえられませんよ。
「鎖骨がここで、背骨がこう曲がって、骨盤がこうでしょ」
ふむふむ、さすが先生、うまいもんやなあと感心して見てたら、あっと言う間に見事な素描「裸婦坐像」ができあがってしまった。
こ、これは・・・。(-_-;)
先生に手伝ってもらってる哀れな劣等生という皆さんの視線を感じる。
後は塗るだけだ。
2時間いっぱい使って、デッサンに悪戦苦闘してる皆さんを尻目に、私はさっさと色を塗りはじめた。
わーい、1等賞!