若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

オーデコロン

毎週水曜、大阪の油絵教室に行く。

16人の生徒の顔をおぼえたところだが、男性Aさんは愉快な人だ。
私よりいくつか年上だと思う。
最初の日の帰りに声をかけてきた。

「どちらから?」
「奈良です」
「あ・・・奈良ですか。いや、私、神戸なんでね、遠くから来てるって威張ろうかと思ったんですが。そうですか、奈良ですか」

二回目の帰りに、また声をかけてきた。
「どちらから?」
「奈良です」
「あ・・・奈良ですか。いや、私、神戸なんでね。遠くから・・・あ、これ、先週いいましたな」

Aさんのキャンバスを見た時、ヘンなキャンバスだな、と思った。
市販のキャンバスは、画布を釘で木の枠に打ちつけてある。
Aさんのキャンバスは、無数のホッチキスでとめてあったのだ。

なんだこれは?
「自分で作ってるんですよ。買った方が早いんでしょうがね。絵を描くより、キャンバス張る方がおもしろなってしもてね」

昨日、準備中のAさんの絵を拝見。
「・・・」
コメントは差し控えさせていただく。

差し控えさせていただくが、このにおいはなんだ。
ナフタリンのようなにおいがぷんぷんする。
Aさんのことだ、特殊な油を使っているのかもしれない。
ひょっとすると、天婦羅油とかラー油とかいろいろ混ぜてるのかな。

Aさんが先生のところへいった。
「先生、ちょっと見ていただけませんか」

先生が、Aさんの絵に手を入れる。
女性が何人か、先生の後ろへ回って見学。

大柄な女性が、素っ頓狂な声をあげた。

「なに?このにおい?」

Aさんに顔を近づけて、「メンソレータム塗ってるの?」

Aさんは、むっとしたようだ。

「オーデコロンですよ!」
「オーデコロン!?」
「×××ですよ!×××!」
(「×××」は、カタカナ。香りの名前です。聞いたことのある名前だが、忘れました。オーデコロンにはくわしくないので)

「へーっ!オーデコロン!?」
「今日は先生に批評お願いしようと思ったから」
「私、メンソレータムかと思ったわ。オーデコロン!?」

気の毒であった。
先生に対するせっかくの心遣いのオーデコロンが。

しかし、私は、ナフタリンと思ったのだから、メンソレータムの方がましだ。
オーデコロンにくわしい方に質問。
ナフタリン、メンソレータム系の香りはなんですか。