昨日は、油絵教室。
裸婦の最終回である。
絵を仕上げた人はいないようだ。
私だけではなかろうか。
隣の女性は、デッサンを修正し続けている。
先週、心配になって「これ、仕上がるんですか」ときいたら、「仕上がらなくていいんです」とのことであった。
いつも、デッサンの段階で終わるそうだ。
精神修養みたいなものだろうか。
彼女が、私の絵を見て笑いながらいった。
「モデルさんの顔が、あなたの顔に似てきましたね」
驚いた。
描きながら、「なんだか、お袋の顔に似てきたな」と思っていたのだ。
神戸から来ている男性Aさんが、隣の女性の絵を見て批評している。
「なんか、床に座ってるという感じが出てないね。宙に浮いてるみたいに見えますよ」
あんたの絵もや、といおうかと思ったがやめた。
もう少し慣れてからにしよう。
帰りに、地下のレストランで昼食。
1時前だから大変混んでいる。
女性店員が、注文を聞きに来た。
「パスタ定食」というのを頼んだら、隣の席の男性が、「こっちのパスタ定食、まだきてないよ」と言った。
二人連れの客で、もう一人はほとんど食べ終わっている。
だいぶ待たされているようだ。
しばらくして、もう一度、店員に、「パスタ定食、まだきてない」と言った。
店員が戻ってきて、「すみません。もうすぐ出来ますので」とあやまった。
男は、「パスタ、今ゆでてるの?」といった。
店員と私は笑ったが、その男は笑わなかった。
腹ペコで、笑う気力もないようだ。
店員が急ぎ足でやってきて、隣の男と私のパスタ定食を置いた。
隣の男はむかついたと思う。
彼のために、少し時間差をつけてやって欲しかった。
昔、テレビで見た、アメリカ版「ドッキリカメラ」を思い出した。
私が高校のころのことだ。
大衆食堂といった感じの店の客をターゲットにする。
客が、「パスタ定食」を頼んだとする。
すぐに、隣の席に、サクラが座る。
「パスタ定食!」と注文する。
サクラの席に運ばれる「パスタ定食」は、隣の客のより圧倒的に豪華なのだ。
見比べて客がぶつぶついうのを楽しむ。
久々に、私の脳に聞きたい。
なぜ、こんなしょーもない番組を、五十年近くも覚えているのだ。