名著、じゃなかった、拙著『今日はラッキー!』発売以来、一年半が経過した。
発行元から、半年に一度営業報告が送られてくる。
「実売部数のお知らせ」というのである。
半年に一度、売り上げに応じて私の懐に臨時収入が転がり込む仕掛けである。
むはは。
最初の半年は、スタートダッシュもものすごく、13部の売り上げであった。
銀行口座に振り込まれた金額を何度も見ては、こみ上げてくる笑いを押し殺すのに苦労したのであった。
次の半年、さあ、今度はどんなもんじゃと待ち構える私に届いた、「実売部数のお知らせ」には、「この半年の間に、返品が5部ありました」という、目を疑うというか耳を疑うというか鼻を疑うというか、まあ、とんでもないことが書いてあったのである。
「実売部数のお知らせ」ですよ。
「返品のお知らせ」とでも書いてあれば、心の準備もできる。
標題が、「実売部数のお知らせ」で、本文が「返品のお知らせ」だったから、混乱した私は、事態を把握するのに3時間かかてしまった。
本来ならば、その5冊分の金を返さなければならんのだろうが、何も言ってこないので返してない。
そして、先日、また出版社から封筒が届いた。
いったいなんだろうか。
あけてびっくり、またも「実売部数のお知らせ」ではないか!
こ、こ、今度は何冊返品なのか。
じゃーん。
この半年で、一部売れたと書いてある。
う〜む・・・。
ナゾですね。
発売以来一年以上たってから、買ってくれた人がいる。
ありがとうございますと、感謝しそうになるが、いや、コンピュータのまちがいでした、すんません、というようなことかもしれない。
感謝するのは、半年間保留します。