国土交通省は、建設省、運輸省などが統合してできた。
このところ、大臣の冬柴さんが、苦悶の表情で謝りつづけている。
国土交通省の関連団体が、無茶苦茶をしているからだ。
冬柴さんが無茶苦茶をしているわけではないが、立場上謝らなければならない。
苦悶の表情になるでしょう。
建設省のえらい人を知っている。
高校の美術部の先輩、Kさんである。
今はどこかの会社のえらい人だ。
私が美術部に入ったとき、Kさんは二年生で部長だった。
秀才であった。
Kさんが、京都大学を受験すると聞いた時、え?東大じゃないのか?と思った。
成績が非常にいいというだけではない。
けちのつけようのない、いい先輩であった。
母が、初めてKさんに会ったとき、私に言ったことを覚えている。
「あんたとひとつちがいとは思えんね〜。あんたはこどもやけど、Kさんは、もう立派な紳士やないの」
私たちの高校の美術部は、燃える集団であった。
大きな展覧会前になると、遅くまで美術室で製作に励む。
時には、美術室に無断で泊り込んで、徹夜で絵を描くというような、あほなことをしていた。
一年の、ある展覧会の前、授業が終わってから、私は、同じ美術部のS君と映画を見に行った。
映画が終わってから、美術室にいった。
皆一生懸命絵を描いていた。
「映画見てた!?」
Kさんが、あきれたように叫んだ。
その次の大きな展覧会の前、美術室で頑張って絵を描いていた。
一年生のO君が、バスケットボールしようと言い出した。
スポーツ好きだったKさんも、一緒に体育館へ行って、バスケットボールをした。
絵をほったらかして、夢中でバスケットをしていたら、二年生のYさんがやって来て、怖い顔をしてKさんにどなった。
「K!一年生と一緒に、なにしとるんや!」
「ああ・・・すまんすまん」
焦って、照れ笑いするKさんの顔をおぼえてる私の脳をほめてやりたい。
Kさんが大学院に行くと聞いて、「奥の院に入るらしいですね」と言ったら、Kさんは、「おまえ、相変わらずあほなこというなあ」と笑った。
建設省に入ると聞いて、「ツルハシ担いで日本中回るんですね」と言ったときも、「おまえ、相変わらずあほなこというなあ」と笑った。
Kさんの名前で検索したら、Kさんの絵が出てきた。
インターネットは不思議である。