『山口さんちのツトム君』という曲がはやったのは、いつごろだったか。
大阪では、こういう言い方はしない。
『山口さんとこのツトム君』になる。
朝、テレビをつけたら、NHK教育テレビ『新日曜美術館』が始まっていた。
今日は、たしかステンドグラスだ。
立派な邸宅の前で、アナウンサーと、檀ふみさんと、版画家の山本容子さんが話している。
山本さんの話が終わったところで、アナウンサーが口を開いた。
「では、さっそく、小川さんちの、ステンドグラスを拝見しましょう」
イヤにくだけた言い方をするな。
手堅い黒沢アナウンサーにしては、珍しい。
この立派な邸宅は、小川さんのおうちなのか。
さぞや立派なステンドグラスがあるのだろう。
が、この大邸宅は、小川さんちではなかった。
鳩山記念館だった。
ステンドグラスの作者が、小川三知なのであった。
「小川さんちのステンドグラス」ではなく、「小川三知のステンドグラス」なのであった。
NHK教育テレビ「新日曜美術館」の黒沢アナウンサーが、「小川さんち」てなことを言うわけないのであった。
失礼しました。
昼前、キャンバスを買いに行った。
駅前に、画材、額縁の店が二軒ならぶようにしてある。
二十メートルほど離れているだけだ。
どんな関係なのか聞きたい。
一軒は、いつ見ても客もなさそうで、ひっそりしていて、なんだか開店休業状態に見える。
もう一軒は、道路まで商品があふれ、客が出入りして活気がある。
先日、活気のあるほうの店で、画材一式をそろえた。
そのとき買った、キャンバスを入れるバッグを持っていった。
先日の若い店員がいた。
8号と、10号のキャンバスを買った。
店員が、包むというので、バッグをひろげて、ここに入れてくれといった。
「入りますかね?」
「?」
あのねー、どこにでもある、キャンバスバッグやがな。
こないだ、ここで、あんたから買うたんやがな。
10号まで入ります、軽いし、たたむと小さくなるし、ひとつあると便利ですよて、言うたやないの。