若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

変動超音波式猫被害軽減器

庭に猫が来る。

来るだけならいいのだが、糞をしていく。
端っこの方でするのなら、まだいいのだが、私が手塩にかけた芝生の真ん中でするのが憎い。

家内が、「猫を寄せ付けない」といううたい文句の商品を、あれこれ買うが、全然効果がない。

庭に出ている家内が、突然、「こらっ!」と叫ぶことがある。
猫を追っ払っているのだ。

いつも同じ猫だという。
太っていて、年をとって動作が鈍いので、ふてぶてしく感じる。
「こらっ!」と怒鳴っても、「フン」という感じで、家内をにらみつけ、悠然と立ち去るらしい。

昨日今日と、連続で芝生のど真ん中で糞をしているので、たまらず、近くの園芸用品店に駆けつけ、「変動超音波式猫被害軽減器」というのを買った。

「猫被害絶滅器」ではないところが、頼りないような、信頼できるような、微妙なネイミングである。

若い主人が、「これで効果なかったと言う方はないです」と頼もしいことを言ってくれた。

「こうして、スイッチを入れると、高い音が出ます。ウチの親なんかは、聞こえないといってますが」

ふんふん、と、耳を近づけたが、聞こえませんよ。
主人は、聞こえるという。

家に持って帰ったら、家内も、聞こえるという。
次女に聞かせたら、飛びのいた。
「猫でなくても逃げるワ」

二十数年前のことを思い出した。

父が、庭仕事をするのに、蚊の撃退器を買った。
説明書に、「スイッチを入れると、『キーン』という音がします」と書いてあった。
ところが、スイッチを入れても、音がしないので、不良品だといって、メーカーの営業マンを呼びつけた。

営業マンが来て、スイッチを入れて、聞こえますよ、と言う。
父には、どうしても聞こえない。

私を呼びに来た。
そのときは、私にもはっきりと聞こえた。

「そうか!?聞こえるか!?」
父は、かなりショックを受けたようだった。
だから、私はショックを受けない。

やっぱりネ、という感じである。

「変動超音波式猫被害軽減器」の説明書に、「年をとった猫は、聴力が衰えているので、効果がありません」と書いてあった。

やっぱりネ。

同じく、説明書に、「ボス的猫は、怒って、猫被害軽減器に攻撃を加えたり、おしっこや糞を引っ掛けたりする場合があります」とも書いてあった。

う〜む、ウチに来る猫には、効果がないのではなかろうか。