赤塚不二夫さんが亡くなった。
ファンになるたちではないと思うが、私は、ひょっとすると、「赤塚不二夫ファン」かな。
大学の時買いそろえた、『おそまつくん全集』『天才バカボン全集』『もーれつア太郎全集』があるから、私の「最大蔵書作家」だ。
「おそまつくん」を知ったのは、高校のときだ。
学校帰りの電車で、小学生の男の子たちが話題にしているのを聞いて、何とお手軽なタイトルだろうかとあきれた。
あんまりばかばかしいタイトルなので、読む気になって、読んでみたらすぐ好きになってしまった。
なんとなく、小学生のころを思い出させるような雰囲気がある。
小学生のころ夢中になったいろんな漫画を、ぜんぶ詰め込んだような、「お買い得感」がある。
大学四年の時、『おそまつくん全集』をそろえる決意を固め、コツコツと買い集めたのであった。
大げさなようですが、四畳半暮らしの当時の私にとっては、かなりの「決意」を要したのである。
当時評判の、二大スポーツ漫画が、イヤでたまらなかった。
ああいうのとくらべると、赤塚不二夫の世界は、清らかなものだ。
高校の帰りに、電車の中で、男の子たちの話を聞かなければ、「おそまつくん」を読んでなかったかもしれない。
あの子達に感謝しておこう。