朝日新聞朝刊。
菅原道真をまつる神戸市須磨区の綱敷天満宮に、サーファー道真の銅像が出現したそうだ。
高さ2メートルほどのサーフボードの横で、サーファーボーイみっちゃんがにっこり笑って立っている。
「波乗り祈願像」という。
なぜ道真公がサーフィンを、と頭をひねっても無駄ですよ。
菅原道真とサーフィンとの知られざる接点なんかない。
須磨海岸は海水浴で有名だ。
去年、この神社は、受験生向けに、サーフボードを抱えた「波乗り菅公さん」携帯ストラップを発売した、と新聞には書いてあるのだが、「発売」でいいのかな。
罰当たり、かつ失礼な気がする。
合格祈願の受験生に授けた、と書いておくのが、菅原道真公に対しても神社に対しても当たり障りがなくていいのではなかろうか。
まあ、授けたのか売ったのか知らんが、これが好評だった、と新聞には書いてある。
それに気をよくして、サーファーの濡れ手に粟でもう一儲けをたくらんでとは新聞に書いてないが、今回の「サーファーボーイみっちゃん」の登場となったもようである。
千年ほどしたら、菅原道真とサーフィンの関係について、論文を書く人が出ると思う。
人騒がせである。
しかし、綱敷天満宮だけを責めるわけにはいかない。
神社や寺の縁起物なんて、「波乗り菅公さん」と似たり寄ったりだ。
と思います。
新発売!だといかがわしいが、千年売れ続ければ、古式ゆかしき伝統の波乗り菅公さんだ。
がんばれ!波乗り菅公さん!
テレビのニュースでも、宮司さんがインタビューに答えて熱く語っていた。
「この、波乗り菅公さんで、受験生だけでなく、一般の方々も、時代の波に乗って、生き抜いてほしいと思います」
「波に乗りたがってるのは、宮司さんじゃないんですか」
「正直なとこ、波乗り菅公さんにかけてます。波乗り菅公さんを売り出すまで、この神社は非常にさびれてましてねえ。広い境内には人影もなく、ただ、鳥が鳴いてるだけでした」
「なんと言う鳥ですか」
「かんこう鳥です」
「えーかげんにしなさい!」
「ほんとにねっ!」