1月4日は、母の誕生日、ということになっているのだが、ちがうらしい。
ほんとは、大正3年の12月30日生まれなのだが、役所も休みだし、翌年の1月4日に、その日に生まれたことにして届けたそうだ。
当時は、1月1日に一斉に年をとることになっていたし、大正3年は「トラ年」で、4年は「ウサギ」だったから、まあ、女の子だし、大正4年1月4日生まれにしとこう、ということになったのだろう。
母は、「ウサギ年」は気に入っていたが、正月三が日が終わって気が抜けたような4日が誕生日というのは、気に入らなかったようだ。
何度かこぼすのを聞いたことがある。
私が中学のころだったか、母が親戚から帰って、プリプリしていたことがある。
義兄(私の父の姉の主人)と話していて、エトの話になった。
母が、「ウサギ年」だといったら、「まだウソついてるんですか」といわれたというのだ。
この人は、かなり偏屈な人だったようだから、母は、インネンをつけられたような気がしたのだろう。
とにかく、母にとっては、親がしたことは正しいのだ。
非常に憤慨してました。
エトといえば、我が家では、父が「イノシシ」、私が「イヌ」、妹が「ネズミ」だった。
祖母のは忘れてしまった。
小学一年生のとき、担任の先生が、「イヌ年」の人、手を上げてといった。
おお!ボクや!
私は勢い込んで手を上げた。
「イヌ年」は自分だけだと思っていたから、クラスのほとんど全員が手を上げたのには驚いてしまった。
ええ〜っ!
なんでやねん!?
続いて先生が、「じゃ、あとの人はイノシシやね」と、あっさり片付けてしまったのにも納得できなかった。
ネズミは?
イノシシは?
ウサギは?
エトの全貌を私がいつ知ったのか、はっきりしない。