カルチャーセンターの人物画教室に通って一年になる。
モデルさんは、大阪のモデル事務所からやってくる。
100人ほどのモデルが所属するというその事務所の、「モデル募集要項」を見ると、年齢は「28歳くらいまで」と書いてある。
微妙ですね。
なぜ28歳なのか。
なじかは知らねど、30歳以上はダメ!ということはわかる。
モデルは、20代に限るのか。
若くなくてはいけないのか。
そんなことはないでしょう。
まあ、ウチの得意先だったA社の社長みたいに、スナックに行くと、「ママ!ギャル呼んで!ギャル!」と連呼する人もいる。
また、B社の社長みたいに、「あんまり若いコもしんどいからなあ」と年配ホステスばかりのバーが好きな人もいる。
何の話か。
スナックやバーのホステスじゃなくて、モデルさんの話ですね。
私としては、いろんな世代の人物を描きたいと思う。
「しわ」を描きたい。
子供が描く「しわ」じゃないですよ。
子供が、「おとうさん」「おかあさん」を描くと、しわだらけになる。
とりあえずおでこに三本。
「しわ」ではなくて、「線」だ。
「しわ」は「線」ではないのか。
難しいところである。
「しわ」がチャームポイントになることもある、と思います。
今、私が一番描いてみたいのは、人物画教室のE先生です。
もしゃもしゃの白髪、ひげ、酒に焼けた鼻、深いしわなどが魅力です。
仙人のような風貌です。
描きごたえありますよ。
しかし、80を過ぎた先生に、モデルをお願いすることはできないでしょうね。
先生を描きたいなあ、と熱烈に思いながら、しかたなく若いモデルさんを描いているのである。