NHKTVで、回転寿司をとりあげていた。
回転寿司も回転しない寿司もよく知らない。
この番組で、「エンガワ」というのを知った。
ヒラメのひれのあたりの身のことを、こう呼ぶらしい。
寿司のネタだそうだ。
知りませんでした。
回転寿司でも使おうとしたが、ヒラメでは値段が高すぎる。
なんか他の魚がないかと探して、カラスガレイというのに目をつけた。
目をつけられたほうはいい迷惑だ。
回転寿司の人気商品になってしまった。
とりまくったのでカラスガレイが激減。
なんか他の魚はないかと探して、オヒョウという魚に目をつけた。
こういう、身代わりの魚を「代替魚」というらしい。
気の毒かつ失礼である。
オヒョウもとりまくった。
数年でほとんどとりつくした。
オヒョウの数は、二度と元に戻らないといわれているそうだ。
次に目をつけたのが、アブラガレイで、これが現在「エンガワ」として活躍中なのだが、これもいずれなくなるだろうということで、いま「次期エンガワ」の座をめぐって、熱い戦いが繰り広げられている。
魚たちが戦ってるのじゃないですよ。
商社の人たちが、探しまくってるのだ。
探しまくった後とりまくる。
とんでもないことになってる。
回転寿司に限らないのだろうが、こうはっきり見せ付けられると、困ってしまう。
商社の人や回転寿司の会社の人が、魚の身を手に難しい顔をして、味がどうの値段がどうのと議論しているのを見ると、その魚は「エンガワ」になるために生まれてきたわけじゃないのに、と思ってしまう。
なんかヘンだな、と思う。
こういう番組を見ると、ふだん気づかない私たちのヘンさに気づく。
宅急便で感じたヘンさと似てる。
便利なのはありがたいけど、運転手は食事もそこそこに走り回ってる。
文具などの通信販売も便利だ。
午前中にファックスで注文すると、午後には届く。
無数の品物の中から、どうやって箱につめるのか。
巨大倉庫で係りの人が品物を求めて走り回ってるそうだ。
アマゾンで本を1500円以上買うと送料無料。
10万円以上買うと送料無料、というならわかる。
1500円以上買って送料無料では気の毒だから、できるだけ1500未満の注文をしよう、という気にはならない。
エンガワは食べるもので、じっと見て考えるものではない。
食べてる間に、わけのわからんことが、どこかで進行中である。