ウチの近所に、「シロ」という犬が二匹いる。
私が以前から知ってる方の「シロ」は、「一匹」というより「一頭」といった方がいいくらいに大きい。
大人だって乗れそうである。
早朝、私が出勤する頃、よくご主人が散歩させていた。
なんという種類か聞いたことがある。
グレートピレネーという種類の犬だそうだ。
何年か前、娘さんが、知り合いからかわいい白い子犬をもらってきたと思ったら、あっという間に巨大化し、今日に至る、ということらしい。
見事に白い。
このふさふさの「美白」を維持するのは、大変だろうなと思う。
大きいけど、こわいという感じはしない。
頼りになる、という感じだ。
ウチの娘は、「シロさん」と呼んでいた。
たしかに、呼び捨てでは失礼な感じで、といって「シロちゃん」でも失礼な気がする。
「シロさん」がふさわしい。
もう一匹の「シロ」は、「シロちゃん」で、うわさには聞いていたが、今日初めて見た。
どんなうわさか。
まず、娘が、「○○さんの、シロちゃん、かわいいなあ!」というのを聞いた。
それからしばらくして、息子が、「○○さんの、シロちゃん、かわいいなあ」といった。
きのう、家内が、「○○さんの、シロちゃん、かわいいわあ!」といった。
三人が絶賛するシロちゃんとは。
とにかく人なつっこくて、かわいいという。
通りがかる人が皆、声をかけるそうだ。
私は、シロちゃんの存在に気づいていなかった。
うかつなことである。
さっき、○○さんの前を通った。
うわさのシロちゃんをこの目で確かめようと思っていたのであるが、なんと、○○さんの前に、シロさんがいた。
ご夫婦で散歩させていて、通りがかったようだ。
奥さんが、「シロちゃ〜ん!」と声をかけたら、シロちゃんは、飛び上がって奥さんに抱きつかんばかりに後ろ足で立って、激しく尻尾を振っている。
シロちゃんは、普通の犬だ。
なかなか、いい顔してます。
奥さんに声をかけられて、シロちゃん大喜び!という感じだ。
なるほど、これはかわいい。
さて、ここでシロちゃんとシロさんのほほえましい交流場面が見られれば、申し分ないのだが、そううまくはいかないもんですね。
シロさん、知らん顔。
横を向いたまま。
すねてるとか、そういうのではないと思います。
単に興味が無い。
シロちゃんもシロさんも、いい感じだと思いました。