「スカイプ」というのは、インターネット版テレビ電話みたいなものだと思います。
パソコンにカメラを取り付けてあると、お互いの顔を見ながら会話ができる。
夢のような話である。
しかも、タダだというのだから、あやしいと思う。
が、あやしくないらしい。
きのう、次女の主人が、カメラを買ってきてウチのパソコンに取り付けてくれた。
これで、世界中の人と、顔を見ながら話ができる。
とはいうものの、世界中の、誰彼なく話をするわけにはいかない。
知ってる人と話そうと思うが、私の知ってる人で、スカイプをしてそうな人はいない。
しかたないので、まず、次女の会社の先輩を呼び出す。
ウチのパソコンの画面に、先輩Uさんの顔がアップで映った。
不思議である。
私たちの様子も、Uさんの画面に映っているのだ。
いつまでもUさんと話しているわけにはいかない。
誰かないか。
おお、私の妹の主人、T彦さんだ!
T彦さんは、海外出張が多いので、スカイプを利用しているのだ。
今、ミャンマーにいるはずだ。
呼び出したら、ミャンマーのホテルの一室で退屈をもてあましていたらしいT彦さんが画面に現れた。
実に不思議である。
ミャンマーでっせ!
通信事情が悪いせいか、映像も声も途絶えがちであるが、まちがいなく、T彦さんの顔だし、T彦さんの声だ。
何度も途切れるので、あきらめようと思ったが、よほど退屈をもてあましているらしいT彦さんは、あきらめることなく、繰り返し接続し続ける。
「せっかくだから、ホテルからの夜景を見せましょう」
ミャンマーの夜は、まっくらけだった。
つながっては切れ、つながっては切れ、ついにあきらめて「おやすみなさい」の文字が出た。
他に誰かないか?
そうだ、息子のお嫁さんがやってるといってた。
さっき、いっしょに食事して、別れたところだけど、呼び出してみよう。
出ました。
息子夫婦が、画面に登場。
別に話すこともないので、すぐ切りました。
スカイプ、不思議です。