せんべいと言っても鹿せんべいではなく、赤ちゃん用せんべいです。
花ちゃんが、赤ちゃん用せんべいを食べました。
生えたばかりの小さな歯で、一人前にパリパリと音を立てて食べます。
歯は、下に二本生えて、上にもちょっと見えてます。
まっ白い歯と言いたいとこですが、洗いたての米粒みたいに、半分透き通ってるみたいです。
細長いせんべいを握って機嫌よく食べてましたが、そのうち、手で握ってる部分だけになってしまいました。
頭のいい花ちゃんですが、こうなるとどうしていいかわからない。
小さな握りこぶしをそのまま口に入れようとがんばってましたが、それは無理ですね。
で、家内が、握った手を開かせようとしたら、「ンギー!」と声を上げて怒りました。
手になにか握っていることはわかってるんですな。
生後9カ月にして、「いったん握ったものをはなしてたまるか!」という迫力です。
どうしても手を開かないので、新しいせんべいを見せたら、目をランランと輝かせて、さっきまで固く握っていた手をぱっと開き、新しいせんべいを食い入るように見つめてます。
そこで、新しいのを持たせてやって、そのすきにべちゃべちゃになったせんべいを取り上げて手をふいてやりました。
賢明なる読者の皆様は、それって、また繰り返しになるのでは?と懸念を持たれたのではないでしょうか。
ご明察でございます。
新しいのを食べるうち、また手に握った部分だけが残り、これまたどうしても手を開かないので、またまた新しいのを持たせて、そのすきに手を開かせて古いせんべいを取り、新しいのを食べるうち、手に握った分だけが残り、どうしても握った手を開かないので、またまたまた新しいのを持たせ、以下同文。
せんべいを35枚食べさせたところで、花ちゃんが、「もうええわ」と言ったので、「赤ちゃんせんべい恐怖の悪循環」が、やっと終わったのでありました。