便利屋を頼んだ。
家内が、一階のタンスと二階のタンスを入れ替えたいというので頼んだ。
なぜ入れ替えるのか、私にはわからんが、家内には深い慮りがあるのだ。
ごちゃごちゃと余計な口出しをせず、家内のいうことを聞いていればまちがいない。
やってきたのは、ひょろっとした若者と、小柄な中年女性だった。
この二人は、下見に来たのだろう。
運ぶのは、たくましい二人組が来るのだろう。
と思ったら、二人でやるというので、心配になった。
若者は、ひょろっとしたというか、なよっとしたというか、まあ、どう見てもタンスを運ぶのに向いた体型ではない。
女性の方は、小柄だけどパワフルな感じというか、パワフルな感じだけど小柄だといえばいいのか、若者よりは頼りになりそうな気はしたが、一見したところでは、お世辞にも「強力コンビ」とはいえない二人であった。
階段や壁を傷だらけにされるんじゃないかと心配したけど、作業は、パワフル女性のてきぱきとした指示のもと、ひょろひょろ青年が健闘、あっさり終了しました。
昔、ウチの得意先の中小企業の社長が、「社員としては女性の方が優秀だ。力仕事以外は女性の方がいい」といったことがあるが、力仕事も女性となると、男はどうなる?
作業が終ってから、家内が便利屋さんに、「二階のタンスは、十年ほど前に私たち二人で上げたの」といったのには驚いた。
ぜーんぜんおぼえてない。
十年前は、そんなことができたのか。
まあ、作業の役割は、便利屋さんの二人組と同じだったと思いますが。