若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

パパ到着後の花ちゃんと私

パパ到着後も、花ちゃんは、やはり私がいいのか、私と手をつなぎに来たり、ひざにすわりに来たりで、ロサンゼルスから太平洋の荒波を男度胸で越えて来たパパが気の毒、てなわけおまへん。

花ちゃんは、パパにまとわりつき、私は、ほこりにまみれた人形のように、部屋の片すみにころがっているのであった。

きのう、パパが用事で一時間ほど家をあけた。
その一時間ほどの間だけ、花ちゃんは、私と手をつなぎに来たり、私のひざにすわったりした。
代用品ですね。

さて、その代用品が、じゃなかった、私が、新聞を読んでたら、「ゴン」という音がした。

花ちゃんが、顔をしかめて、テーブルの下から出てきた。
頭を打ったようである。

台所にいる、おばあちゃんの方に走って行った。
そして、頭をおさえて泣き出した。

おばあちゃんが、「お〜お〜、頭打ったの?痛いの?」というと、それに励まされてというか、促されてというか、盛大に泣き始めた。

おばあちゃんは、こういう場合のお決まりの技を繰り出した。

「痛いの痛いの、おじいちゃんとこへ、飛んでけ〜!」

振られた私としては、それなりの反応をしなければならない。

頭をおさえて、「イタイイタイイタイ!」と叫びながら、右へ大きくすっ飛び、鬼の大松仕込み東洋の魔女日紡貝塚直伝回転レシーブ!

それを見た花ちゃんが、泣きながらも、ちょっと笑った。

受けたと見るや、おばあちゃんは、またも「痛いの痛いの、おじいちゃんとこへ、飛んでけ〜!」

私は、頭をおさえて、「イタイイタイイタイ!」と叫びながら、左へ大きくすっ飛び(以下同文)

これを何度も繰り返すうち、花ちゃんの機嫌はなおったのであった。

めでたしめでたしと、新聞を読み始めたら、花ちゃんがニコニコと私の前に立って、右手をさっと突き出して、「テッテテテ〜!」と叫んだ。

おお!
花ちゃん自ら、「飛んでけ〜!」と言ってるのか!

これは反応しなければ。
「イタイイタイ!」と叫びながら、さっきの何倍かの勢いで回転レシーブ。

大喜びの花ちゃんは、間髪を入れず「テッテテテ〜!」

私は、大げさに「イタイイタイ!」と叫びながら、回転レシーブ。

大喜びの花ちゃんは、以下同文、を30回ほど繰り返し、くたくたになった私は、「テッテテテ〜!」ができないように、花ちゃんの両手を縛り上げたのであった。