きのう久しぶりに献血しました。
私は、若いころ「献血が趣味」という時期もあったが、最近したのは二年前だ。
初めての献血は大学生の時で、その日、私は『世界哲学全集:プラトン』を小脇に横浜伊勢佐木町を歩いていた。
しぶい!と思われるかもしれないが、全然しぶくないです。
買ったばかりのその本を売ろうと古本屋を探してたんです。
突然現れた看護婦さんにすすめられるまま、ついふらふらと献血してしまった。
献血のあと古本屋へ行くと、店のおやじが『世界哲学全集:プラトン』を見て、「読んでないねえ。読んでから売らなきゃだめだよ」とバカにしたように笑った。
私は黙って哲学的微笑を浮かべた。
思ったよりいい値段で買ってくれたのだけど、「身分証明書を出せ」と言われて困ってしまった。
学生証を持ってなかった。
で、「これでいいですか」と、さっきもらった献血手帳を見せた。
「なに、これ?」
「献血手帳です」
「あんた、献血したの!?」
おやじは、尊敬のまなざしで私を見た。
さっきバカにされたところであるが、さっそく名誉回復。
「ほ〜、これならだいじょうぶだ。こりゃあほんものだ」
おやじは献血手帳がたいそう気に入ったようであった。
しげしげと見つめていましたね。
さて、きのう大阪駅前を歩いてたら、「夏場血液が足りません」と献血を訴えていたので、久しぶりにしていこうと思ったのです。
で、受付に行って、はっとした。
献血って65才までじゃなかったか?
心配しつつ受付のおじさんに聞いたら、本来65才までだが、60歳から65才までの間に1回献血していたら、70歳まで延長になるという。
私は二年前にしてたので滑り込みセーフ。
それにしても変な規定だと思ったが、おじさんにもその理由はよくわからないみたいだった。
晴れて献血できるとわかって、血圧測定。
70歳くらいの男性医師が、「ほ〜!立派なもんですなあ。あなたのお年でこの数値は立派です!」
今まで、血圧が低いと言われたことはあるが、ほめられたのは初めてだ。
「立派なもんです。ご長命でしょう」
気をよくして血液チェック。
若い看護婦さんに腕を出したら、「わ〜!立派な血管ですねえ!」
立派な血管?
「太いんですか」
「ええ、太くてはっきり見えます。立派な血管ですよ。私たち看護師にはうれしい血管です(*^_^*)」
立派な血圧、立派な血管。
非常に気分よく献血できました。
帰ってから大威張りで家内にその話をしたら、鼻で笑って、「また来てもらおうと思って言ってるだけよ」
そ、そーかな・・・。(ー_ー)!!
赤十字血液センターのお医者さんと看護師さんが、また来てもらおうと思ってそんなお世辞言うかな?