若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

エスモード・ジャポン

きのうは、大阪北堀江にあるエスモード・ジャポン大阪校に行ってきました。

エスモード」とは、1841年パリに設立され今年創立170周年を迎えた世界最初のファッション専門の教育機関で、ファッション業界で即戦力となるプロフェッショナルの養成を目的としている。

なぜエスモード・ジャポン大阪校を訪れたかというと、私もいよいよ65歳、第二の人生の進路についてこれまでさんざん迷ってきたが、やはり天性のファッションセンスを生かして服飾デザインの道に進もうと決意、家内の猛反対を押し切って入校手続きに行ったというわけではありません。

エスモード・ジャポン大阪校のギャラリーでM君が個展をしてるのを見に行ったんです。

おしゃれなビルに入ると広いロビーには生徒作品と思えるファッショナブルというか奇抜というか奇妙奇天烈、こんなもん誰が着るねん!?的ドレス(?)を着せたマネキンが何体かならんでました。
若草鹿之助自慢のステージ衣装「エバラ焼肉のたれ黄金風きんきらきんジャケット」もかすんでしまう珍奇さであった。

出入りする若者たちもさすがファッション業界の即戦力と期待される人たちだけあって実にオシャレな感じで、フツーの格好の私が場違いで恥ずかしいような気がして、エバラ焼肉のたれ黄金ジャケットを着てくれば良かったと悔やまれるのであった。

M君の作品もけっこう変わってるというか、わけのわからんものなのであるが、なんでもありのこの空間では、とくにヘンなものとも見えないのが不思議であった。

M君としゃべってたら、待ち合わせてたKさんがやってきた。
私と高校の美術部でいっしょだった女性でジュエリーデザインというおしゃれな仕事をしてる。

仕事柄かKさんのいでたちはロビーにならぶ生徒作品に引けを取らず目を引く鮮やかさであった。
さっそうとやってきたKさんに、Mくんは、「わあ、Kさん、エスモードの先生みたいやねえ」といった。

すかさず私は、「ぼくは、エスモードの生徒かと思った」といった。

Mくんは苦虫をかみつぶしたような表情で生徒作品のほうに目を向けた。

Kさんは、「ハイ、おみやげ」と、私たちに紙袋をくれた。
ずっしり重い。
アクセサリーではなさそうだ。
Mくんと私は声をそろえて「これなに?」と聞いた。

「岸和田名物泉州水ナス」

み、み、水ナス・・・(-_-;)
重いはずです。

私たちのために車を飛ばして岸和田まで水ナスを買いに行ってくれたそうだ。
エスモード・ジャポン大阪校に岸和田名物泉州水ナスを持ち込んだのはKさんが初めてではなかろうか。

袋の中を見ると見事な水ナスである。
「これ、Mくんの作品とあいそうやな」
「ほんとやねえ!」

Kさんが水ナスをひとつ作品の横に置いた。

「わあ!ぴったりやわ!作品が引き立つわ!」
「うん、いい感じいい感じ!」

次々に水ナスをならべてはしゃぐ二人を、Mくんは苦虫をかみつぶしたような顔で見ていたが、私たちが水ナスをならべおわる頃には苦虫そのものと化していたのであった。

その後、蝶のようなKさんと苦虫のようなMくんといっしょに飲みに行きました。