若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

レイ・スミス著『油絵:人物を描く』

アマゾンで注文してたこの本が届いたとき、家内が「描き方の本ばっかりよく買うねえ」と感心してました。

よく買います。
よく買いますが、べつに私は技法書を読んだらチャッチャッとうまく描けるようになるてな甘いことを考えて買ってるわけじゃありません。
そんなうまい方法なんかない。

ないことはわかってます。
わかってますが、ひょっとすると、もしかしたら、ということはある。
あきらめず可能性に賭ける。
なでしこジャパンと同じ精神です。

で、『油絵:人物を描く』を買いました。
この本は美術出版社の「アートスクールシリーズ」の一冊です。
「アートスクールシリーズ」は「英国でもっとも権威あるロイヤル・アカデミー・オブ・アート」の指導のもと製作されている。
心強いではないか。

そして、裏表紙にこう書いてあるのを読むとますます心強い。

「これから油絵を始めようという方から、経験豊かなアーティストレベルの腕を持つ方まで、この一冊には油絵の人物画を描くのに必要なすべての知識とテクニックが解説されています」

私は、「これから油絵を始めようという方」ではありません。
では、「経験豊かなアーティストレベルの腕を持つ方」か。
考え込んでしまいますね。

この本を買うのはちょっと迷いました。
アマゾンで表紙の人物画の写真を見たら、私の好きな感じの絵じゃなかったんです。
著者の絵は好きじゃないけど、ロイヤル・アカデミー・オブ・アートが長年かけてつちかったノウハウが詰め込んであるかもしれないと思って買うことにしました。

で、表紙を見てびっくり。
私があんまり好きじゃないと思った絵ですが、著者の作品じゃなかった。
表紙の絵がちがうだけでなく、中の「実作例」も著者のものではなく、いろんな人の作例を集めてある。
変わってるんじゃないでしょうか。

でも、この「実作例」はなかなか良くて、参考になりました。

で、後ろの方に、やっと著者レイ・スミスさんの作例が出てくる。
これがもう私が一番嫌いなタイプの絵なんです。
よく新聞なんかで広告してる「肖像画」です。

受章記念、金婚式の記念にいかがですか、というようなのです。
肖像画」というより、「肖像写真」を模写したものという感じです。

レイ・スミスさんの絵もそんな感じで男性を描いたものです。
「著名な学校長の退職記念に依頼されたもの」とのことです。
こういうのを依頼されるんだから、スミスさんは偉いんですね。

描き方についていろいろ書いてありますが、「依頼作品」を描く際の注意事項が書いてある。

「制作依頼を受けた作品については、まず最初に報酬額をはっきり決めておくことが大切です。そうしておけば、後で心置きなく作品に取り組めるというものです」

なるほど!
まず報酬額か!
ウハウハ・・・てなわけないじゃろが。

私なんか、報酬なんかとんでもない、描かせていただければ額に入れてプレゼントいたします、という謙虚さですよ。
え?謙虚じゃなくて、カネさえもらわなんだら強いもんじゃという居直り?

判断のわかれるとこですね。

さっきキャンバスの地塗りしてたら、顔に見えてきたので顔にしてみました。
おもしろくないので別の顔にしましたが、やっぱりモデルがないと面白くないです。