テレビのニュースで、東北の被災地の盆踊りを取り上げてました。
犠牲者の供養のための盆踊りと言ってましたが、流れてたのは、ふつうの、にぎやかな、盆踊りらしい曲でした。
盆踊りというのは、もともと供養のためのものなのだと知ったのは25年ほど前です。
娘たちが、長野県の過疎の山村にキャンプに行ってたのを迎えに行ったんです。
ちょうどその村の盆踊りの日でした。
お盆休みということで、都会から若者たちが帰ってきてて、ジャズを演奏したりしました。
働く場がないので、若者は都会へ出ていくんですね。
それをなんとかしようと、その村出身の実業家が工場を建てたこともあるそうです。
それでも若者は残らなかった。
働く場はできたけど、遊ぶ場がないのでした。
難しいもんだと思いました。
で、村の盆踊り。
私の知ってる盆踊りというと、「♪ドンドンパンパンドンパンパン」とか、「♪えんやこらせ〜のどっこいせ」みたいな、にぎやかな陽気な曲に合わせて踊るもんです。
ところが、村の盆踊りはにぎやかじゃなかった。
楽しくもなかった。
ご詠歌みたいなのに合わせて、まあ、踊ると言いたいとこですが、泳ぐという感じかな。
ゆるやかに空気をかき混ぜる感じです。
死者を迎え交流するという雰囲気でした。
盆踊りが終わって宿舎に帰る道のことも忘れられません。
真っ暗。
もうとにかく真っ暗なのでした。
私は「真っ暗」というのを初めて知りました。