若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

碧南市藤井達吉現代美術館

この美術館の名前を聞いたとき、藤井達吉というのは地元の実業家で、自分のコレクションをもとに建てたんだろうと思いました。

ちがいました。
入ったところに銅像がありました。
この人です。

美術館での写真撮影は禁止されてることが多いので、受付の女性に確認しました。

「あの銅像、写真とっていいですか?」
「どうぞう」
「え〜かげんにしなさい!」
「ホントにネッ!」

碧南まで来て漫才をしようとは思わなかったなあとしみじみしながら撮影。

藤井達吉は、地元の小学校を卒業後、七宝焼きの職人となり上京。
美術工芸、油絵、日本画などに積極的にに取り組みます。
皇室献上品なども制作していますし、白木屋の美術顧問として破格の給料をもらってたそうですから、社会的に十分認められていたといえそうです。

作家、芸術家としてだけでなく、「芸術思想家」とでもいうべき資質があったようで、たとえば「子供に買って与えるだけではよくない。母親が心を込めて作ってやるのが良い」との信念で、「母親手工芸運動」みたいなのを主導したりしてます。

地元の産業の陶芸に対しても、安物を大量生産するのは土を売っているようなものだ、いいデザインのものを高く売ろうと指導したりしてます。

学歴もなく大きな会派にも属さず、制作とおなじくらい「民衆教育」に力を注いだ人で、長く幅広い活動の割には名前が知られていないようです。

以上、美術館で買った碧南市教育委員会編『藤井達吉物語』より。
碧南市の小学生向けに書かれた本で、字は大きいし振り仮名は打ってあるし、非常に読みやすかったです。(^_^)/

二十歳の原点」より藤井達吉に興味をひかれた訪問でした。

碧南市ですが、ウイキペディアによれば、昭和40年代から従来の地場産業に加えて、臨海工業地帯として自動車産業を中心に発展、その後世界有数の火力発電所が建設されるなど税収が豊かで、平成17年度の財政指数は、なんと全国一!
市会議員に対する交通費が超高額ということで話題になったこともあるそうです。

それにしても、「碧南市藤井達吉現代美術館」は、なぜ「碧南市立」じゃないんでしょうか。
ナゾである。