若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「藤島武二・岡田三郎助展:近代日本洋画の理想郷」

三重県立美術館に行ってきました。

「理想郷」というのが意味不明だと思いましたが、二人まとめて見る機会はないのではなかろうかと、津まで行きました。
津は、三重県の県庁所在地ですが地味な町だと思います。

「津」と聞いて、悪いけど、「短い!」という以外にあまり思いつかない。
地味です。

「♪伊勢は津でもつ津は伊勢でもつ 尾張名古屋は城でもつ」と歌われたんですから、かつては相当ハデな町だったのでしょうし、だからこそ県庁所在地になったのだと思いますが、いつごろから地味になったんでしょうか。

美術館は立派でした。
奈良県立美術館よりずっと立派でした。
入り口にたどり着くまでに息切れがするほど立派でした。

これからの超高齢化時代、動く歩道エスカレーターを設置するか、入り口を変更するか、う〜む、どうしたもんでしょうか。

さて、藤島武二と岡田三郎助、明治初年に生まれて若くして油絵を志したというんですが、当時彼らが見た油絵とは?
昭和に入っても、なかなか本場の油絵を目にする機会は少なかったそうですから、明治時代ではなおさらですね。

ダビンチ、レンブラント、ベラスケスに感激して、というようなんじゃなかったでしょう。

画集などでよく見る二人の代表作のほかにも愛すべき作品が何点かありました。

よくがんばったんだなあとしみじみして会場を出て、常設展を見ました。

常設展のしょっぱなに飾ってある女性像、お!いいなあ、と思ったら、ルノワールでした。
次がデュフィで、その隣がモネ。
三点とも見ていて楽しい。

いや、藤島武二と岡田三郎助が楽しくなかったというんじゃないんですが、なんちゅうか・・・。
もやもやしながら見ていくと、次の壁面にはムリリョの作品。
17世紀スペインのよくある宗教画ですね。

女性が、ど〜〜んと描いてある。
とくにいいとは思いませんが、立派なもんである。

こういう立派なもんが何百年も続いてルノワール、モネ、ほとんど何にもないところに藤島武二、岡田三郎助。
まあ、たいへんでしたね。

こういう先駆者の苦労があればこそ、私なんかが気楽にホルベインの油絵の具で、花ちゃんやゆうちゃんを描けるんですね。
先人の苦労をしのびつつ描いていきますので、少々ヘンな絵でも見逃してください。