「寄らば切るぞ」というのは、古いセリフです。
子供のころ読んだ漫画で、敵に取り囲まれたりしたお侍が言うんです。
「近寄ったら切りますよ」という「警告」ですかね。
切羽詰まったような呑気なような、今にして思えば不思議なセリフです。
今日、アマゾンに注文してた本が届きました
『The Lure of Paris』、「パリの魅力」というんでしょうか。
「19世紀のアメリカ画家とフランス人教師たち」という副題です。
なぜ、この重たくて高い本を買ったのか、理由説明は後回しにして、ぱらぱら見ると、期待通り楽しそうな本です。
知らないアメリカ人画家の絵がたくさん出てる。
19世紀のアメリカ人画家なんてほとんど知りませんよね。
みなさん上手です。
中に、とびぬけて楽しい絵を見つけました。
チャールズ・ピアスという人の1882年の絵です。
アメリカ人かフランス人かわかりませんが、若い女性が着物姿で立ってる。
当時日本ブームで、こういう絵はいくつもありますね。
この絵の女性は、着物をヘンな風に着てます。
帯をふたつ巻いてます。
それだけでもヘンですが、なんとこの女性は、帯に日本刀を差してます。
そして、刀の柄に手をかけてます。
「寄らば切るぞ!」と英語かフランス語で言ってるようです。
ヘンな絵です。
とても上手だけど、とてもヘンな絵です。
楽しくなるくらいヘンです。
ニヤニヤしながら表紙の裏を見て驚きました。
なんと、この豪華な本、印刷製本がJAPANです。
最近、外国の美術書を買ってますが、ホンコンとか、マレーシアとかあっちこっちで印刷してます。
日本は初めてです。
日本の美術印刷技術を評価してくれたんでしょうね。
この本に非常に好感を持ってしまった。
読む前から好感を持った本て初めてじゃないでしょうか。
我ながら単純であると感心します。