所有権というか、所有感というか、これはすごいもんですね。
生まれて何ヶ月かで、これに目覚めますよ。
赤ん坊が手に持ってるものを取られると怒る。
これはすごいと思います。
手に持ってるだけですよ。
自分で買ったとか、プレゼントされたとかいうもんじゃないんです。
たまたま手に持ってる。
それを取られると、フンギャ〜〜〜!と顔を真っ赤にして怒る。
「所有権」とか「所有感」程度の軽いもんじゃないようです。
生きるとは、今手に持ってるものを取られたらフンギャ〜!と怒ることである。
そんな気がします。
1歳になったばかりのことちゃんが怒ります。
取られると怒る。
隠すと執念深く這い回って探す。
「我執」とでもいうんでしょうか。
しかし、そのことちゃんを、鼻がくっつくほどの至近距離でじ〜っと見つめても平気です。
穴のあくほど見つめてもいやがらない。
至近距離で見つめるどころか、ほっぺたをなめったり、鼻をなめったり、耳をかじったりしても、なんにも言わない。
平気のようである。
「我」がないように思えます。
不思議である。