カーナビには縁がないです。
車にあまり乗らないのでつけてません。
40年ほど前の話だから、カーナビはありません。
ウチの会社に原料を運んでくる運送会社に、一人だけ「老運転手」がいました。
若い運転手が、2トン車や4トン車で大量に積んでくるのに、その老人(といっても今の私よりは若かったでしょうな)は、750キロ積みの小型トラックに少しだけ積んできます。
非常に小柄な人で、トシだし、たいして稼げないだろうなと気の毒に思ってました。
ところが、あるとき同じ会社の若い運転手が、「あのじいさん、よ〜稼ぐんやで」と言ったのでびっくりしました。
会社から非常に優遇されてて、効率良く回れるように積荷を手配してもらって、「楽して稼げるいい身分」だというんです。
どんな人なんでしょか。
次にその人が来たときいろいろ聞いてみました。
馬車の時代から今の会社にいるそうです。
「これがワシの宝物や。若いもんが、『おやっさん、おやっさん』いうて寄ってきよる」
そう言って運転席から取り出したのは、ボロボロになった大学ノート。
若い頃から、一度配達に行った先の道順をすべて記録してある。
会社の営業地域すべてをカバーしたおやっさん独自の道路地図。
どこのタバコ屋で右に曲がるとか記入してあるので、その地図を見れば誰でも行ける。
なるほどね。
馬車の時代から、仕事とそういう風に取り組んできた人なら、会社も優遇してくれて当然だと思いました。
カーナビの時代には・・・。