きのうは、高校の美術部の後輩Tくんと飲みました。
50年近くいっしょに飲んでます。
いつも、Tくんのなじみの店です。
私にはなじみの店はありません。
というと、さびしい男のようですが、そんなことはない。
どこで飲んでもいっしょである。
いや、行きたくない店はありますが、とくに行きたい店はないということです。
ふつうの店でいいんです。
ところが、Tくんに言わせると、私の言う「ふつうの店」を見つけるのは難しいと言う。
そうかな。
Tくんは、マメな男で、たえず「いい店」を探してる。
「いい店」を見つけては私を連れて行く。
彼にとっていい店が私にもいいとは限らない。
そのへんは心得てて、そういう店には連れて行かない。
で、安心してついて行くことができる。
心斎橋大丸で待ち合わせました。
入ったところで待ってたら、肩をつつかれた。
つついた熟年女性の顔を見て、一瞬誰かわからなかった。
高校の同窓生だったかな?
ちがいました。
これから行く飲み屋の女将さんであった。
「お待ちしてます」とにっこり笑って去っていった。
コートを着た女将さんを見るのは初めてなのでわからなかった。
Tくんは、珍しく10分ほど遅れてきた。
汗だくで心斎橋大丸に走りこんできたのは気の毒であった。
店に行くと、女将さんがTくんに、「先輩を待たせたらダメですよ」と言いました。
いろんな日本酒をそろえてる店です。
きのう、最初に持ってきたのは、「くどき上手」だったか「女泣かせ」だったか、どっちかなんですが、まあ、どっちでもいいですね。
Tくんの趣味は陶芸です。
その陶芸教室が年内で閉鎖される。
おまけに、Tくんが一番足繁く通ってるなじみの飲み屋が年内で廃業する。
困ったと言う。
陶芸教室も飲み屋もたくさんあるではないか。
が、なじみのところがなくなるのは非常に困ると言う。
う〜ん、あんまりなじんでしまうのも問題だと思いました。