ひな祭りというのは、なんとなく華やかでなんとなく懐かしい、いい感じのもんだと思います。
私は男の子であったのですが、「端午の節句」よりひな祭りの方に親しみがあります。
端午の節句に、古い金太郎の人形と兜の置物を母が飾ってくれた記憶はあるんですが、どっちも父のための古いもので、たいしてうれしくなかった。
ひな人形も古かったんですが、こっちはうれしかった。
まあ、古い金太郎と兜より、古いひな人形の方がいいですよね。
祖父が「趣味人」だったので、あれこれ古いものがあります。
「なんでも鑑定団」に出して高値がつくようなものはなさそうですが、見てて楽しいです。
父も私も、モノを楽しむという意味での「趣味人」じゃないので、我が家にある「目を楽しませてくれるもの」は祖父が集めたものだけです。
今日、家内が「ひな祭り料理セット」を出してました。
これも祖父が買ったものです。
こんなのです。
大きさがわかりにくいので、コーヒーカップをならべてみると、こんな感じです。
これをウチの娘たちのために使ったことはないです。
母が、私の妹のために、60年ほど前に使ったことがあります。
私がおぼえてるのは、その一度だけです。
祖父が自分の娘たちのために買ってから今日まで100年ほどでしょうか。
何度使ったのかな。
60年ほど前のことは強く心に残ってます。
終戦後十年も経ってなかったと思いますので、母がかなり張り切ったなという印象です。
妹の友達を招いてのひな祭りの膳、というような感じでした。
料理はおぼえてませんが、はっさくを半分に切って、カンテンとか入れたデザートが出て、子供心に、なんと豪華でおしゃれなんでしょうと感動したのはおぼえてます。
60年たってもおぼえてるんだから、あまりモノがないとかあまり豊かでないとかいうのは、ありがたいもんですなあ。