若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

パ〜っといきましょう!

むし暑いです。
こういうときは、パ〜っといきたいもんですが、なかなかね。

注文したあった本が届きました。
イギリスの女性歴史学者、C.V.ウエッジウッドさんの『モントローズ』。

清教徒革命で処刑されたスコットランドモントローズ侯爵の伝記です。

読み始めたとこですが、うれしくなります。
大貴族モントローズ侯爵家の一人息子として生まれたジェームズ・グレアムの話なんですが、この人、ただのひとり息子じゃない。

20年間、一族郎党地方住民一同待ちに待った一人息子なんです。

さぞや両親から甘やかされだろうと思うのは素人の浅はかさ。
ウエッジウッドさんは、「運命に甘やかされた」と書いてます。

スケールがちがいます。
恵まれに恵まれた。

大貴族の待望の一人息子で、両親や姉たちの愛を一身に集め、男前で、明朗活発で、知性的で、寛大で気前よくて、スポーツ万能で、学問文学美術音楽を愛し、誰からも好かれたと言うんですから、こんな若者が身近にいたら腹立つとこですが、そこまではまだ許せるとして、私がうらやましいと思うのは、この人、ブロンドでクルクルのカーリーヘアーだったということです。
いいなあ。ヽ(*´∀`)ノ

まあ、400年前のイギリスの話ですからネ、それほど対抗心を燃やさず、楽しく読めます。

1ページめに、メダルの写真が出てます。
1629年、セント・アンドリュース大学で行われた弓術大会で優勝した時にもらったメダルです。
そんなんが残ってるんですね。

この人は、前の年も優勝してる。
連覇です。

負けた人たちも、この人の優勝を大変喜んだそうです。
なぜか。

初優勝の時、盛大な優勝記念パーティを開いて、参加者やその家来まで招待したから。
二回目も大々的にやった。

17歳の若造なんですが、なにせ、モントローズ侯爵ですからね。

セント・アンドリュースの街では有名人だった。
セント・アンドリュースって、ゴルフで有名ですよね。

この人はゴルフも上手くて、キャディにチップを弾むので評判だった。
乞食にも金をばらまいた。

17歳の若造が、学者や芸術家のパトロンとして出資を惜しまなかった。

欲しいものはなんでも手に入った。
剣がほしいと思えば、イタリアの名人に注文したし、弓は真珠の飾りのついた芸術品、矢はロンドンに特注、名馬、名犬、名鷹(鷹狩り用です)を所有して、何をやらせても一流だった。

この人に批判的な人が、「彼は虚栄心のかたまりだった」と言ってるそうですが、ウエッジウッドさんは、この人に虚栄心は必要なかったはずだと書いてます。

とにかく、行く先々で金をばらまいた。
金があるんだからしかたがない。

そして、ウエッジウッドさんは書いてます。
当時、大貴族の若者にとって、「倹約」は美徳ではなかった。

読み始めたとこですが、楽しい。
しかし、最後は、誰からも見放された困った王様チャールズ1世に忠誠を尽くして絶望的戦いを戦い抜き、処刑されてしまうんです。

う〜ん・・・楽しい青春時代だけで終われば、暑さも吹っ飛ぶんですけどねえ。