乗馬をはじめて7年目です。
7年というと、かなりのものという感じかも知れませんが、週一ですからね。
60歳過ぎて何かをはじめて、週一というと、まあ、5年やろうが7年やろうが似たようなもの、というのは言い過ぎかもしれんが、多くを期待してはならない。
去年のはじめから、ずっと同じ馬に乗ってます。
指名するんです。
お気に入りのホステスというようなもんですか。
ホステスを指名したことはありませんよ。
私は、ホステス目当てで店に行ったことはありません。
女性が横に座るような店に行ったことがない。
ほんとです。
信じて下さい。
なんの話か。
え〜っと、乗馬ですね。
乗馬クラブで、「女性」を感じます。
女の人は、馬をかわいがります。
男はかわいがらない。
女の人は、馬にブラシをかけたり、リンゴやニンジンをやったり、こまめに世話をします。
女の人は、馬の話をするとき、「あの子」と言います。
男は、「あいつ」と言います。
私も、二年近く乗ってる馬を、とくにかわいいとは思いませんでした。
週一度、乗る、乗せてもらう。
ビジネスライクなお付き合いであった。
二ヶ月ほど前、先輩女性から、「ブラッシングと裏掘り(ヒヅメの手入れ)は毎回してやってくださいね」と言われた。
私よりはるかにベテランではるかに上級の、感じのいい女性にそう言われて、やらんと悪いかなと思いました。
で、それまでしたことがなかったブラッシングと裏掘りをするようになりました。
すると、驚いたことに、「愛馬感」がわいてきた。
かわいいからブラッシングをしたのじゃないのに、ブラッシングをするとかわいくなってくる。
不思議じゃないかもしれんが、不思議である。
そのおかげで、馬が私の言うことをよく聞くようになったというならめでたしめでたしであるが、そうはいかんのは不思議なようだが不思議じゃないでしょう。
人生なんてそんなもんです。