薪。
「まき」です。
燃料としての木です。
田中敦夫『森と日本人の1500年』という本を読んでます。
「木」というと、「材木」を思い浮かべるんですが、燃料でもあったんですね。
忘れてました。
電気やガスの役目を木が果たしてた。
日本で木炭の生産量が一番多かったのは1957年だそうです。
私が11歳の時です。
当時、我が家の風呂は私が沸かしてました。
「薪」です。
けっこう楽しんでました。
風呂のたき口の横に、大量の薪が置いてありました。
近所の米屋さんから買ってました。
火をつけるのは、まず紙クズ。
当時、紙クズって少なかったんですね。
ウチには小さな紙クズ籠が一つあっただけだと思います。
母が、デパートの包装紙なんか保存してた時代ですから、風呂を沸かすのに使う紙は、クズの中のクズだったんでしょう。
その、わずかな紙クズ中の紙クズと言える、燃やすしか使い道がない紙に火をつける。
つぎに、細い枝みたいな薪を入れる。
これが「おじいさんはしばかりに」の「しば」ですかね。
細い木に火がついてから、薪を入れる。
私にとっては「家事手伝い」というより「遊び」でした。
「火遊び」というと、危険な香りですが、そんな高級なもんじゃない。
ウチの床下に「材木」がごろごろ置いてあって、それを割ったこともありました。
裏の農家で大きな斧を借りて、「エイヤッ!」と割りました。
ワイルドでしたね。
当時、近所に風呂のある家は少なかったです。
風呂のある家さえ少ないのに、S君の家は、「ガス風呂」でした。
超豪華最新式!というイメージでうらやましかった。
そのうち、薪が石炭になりました。
中学生のころ、日記を書いて先生に提出するきまりでした。
風呂を沸かしてることを書きました。
先生の感想。
「君が風呂を沸かしてるとは意外です」
「意外です」と言われたのは意外でした。
ずっと当たり前に続けてたので。
しばらくして、我が家もガス風呂になりました。
おお!
母とガス風呂を買いに行ったことを思い出しました。
私が通った幼稚園の近くの、川沿いの店でした。
う〜ん・・・私の脳に聞きたい。
なぜそんなことおぼえてるんだ。