「かみにかけて」と打ったら、「紙に書けて」と出ました。
こっちが一般的ですね。
「神にかけて」は一般的じゃない。
一般的じゃないことを書いたのは、瀬戸内寂聴さんです。
朝日新聞のエッセイで、ある賞の選考委員になったときのことを書いた文章です。
「神にかけて言うが、私は私情を交えていない」
あれ?と思いました。
瀬戸内さんは尼さんです。
「神にかけて」というのがヘンじゃないかと思ったんです。
でも「仏にかけて」とは言わないですね。
神にかけるしかないのか。
日本では、「神仏習合」というのがあるから、仏教者が神にかけてもいいのか。
これは、日本の精神文化の複雑で深い様相を象徴する大きな問題を含んだ文章なのか、単なる口から出まかせで、なんの問題も含んでいないのか、まあ、どっちでもいいか。