有名な本です。
この本を書いたヴァザーリという人は、ルネサンス期の有名な画家で、その人が、同時代の有名画家たちについて書いたんだから、ベストセラーまちがいなしですよ。
ミケランジェロから、「ボクのこと書いてくれてありがとう」とお礼の手紙をもらってます。
美術の本を読んでて、「ヴァザーリの『ルネサンス画人伝』によれば・・・」という文章には何度も出会ってます。
しかし、読む気はしませんでした。
おもしろくなさそう。
ルネサンスの巨匠のことをほめてあるんだろう。
読むなら悪口の方がおもしろい。
その本をなぜ読む気になったのか。
アンドレア・デルサルトの画集を買いました。
そこで知ったんですが、ヴァザーリという人は、アンドレア・デルサルトの弟子だったんです。
アンドレア・デルサルトは、生前から死後しばらく、ダヴィンチやラファエロと並び称される画家だった。
ヴァザーリさんは、『ルネサンス画人伝』のなかで、自分の師匠アンドレア・デルサルトのことをけなしてるんだそうです。
「才能には恵まれていたのに、たいした結果を残せなかったちょっと残念な人」という扱いみたいです。
「気の強い女房の尻に敷かれた情けない男」みたいなことも書いてるらしい。
『画人伝』のなかで、アンドレア・デルサルトの章が一番長くて一番おもしろいらしい。
で、読む気になったんです。
アマゾンで古本を注文。
箱入りの立派な本が届きました。
さっそく目次をみる。
ダヴィンチを筆頭に有名画家がぞろぞろ。
う〜む、翻訳ではカットされたみたいですな。
弟子が書いた師匠の悪口を楽しみにしてたのに・・・。