なぜこの本を買ったかというと、著者の大崎喜久さんが、家内の中学の同窓生だからです。
先日の同窓会で知った。
自動車会社の技術者であった大崎さんが、中国に渡って技術指導をした話で、国情のちがいからくる珍談奇談満載の楽しい本ではないかと思って買ったんですが、ちがいました。
看板にいつわりなし!
「トラック設計指南」の本でした。
と思います。
正直に言うと、何の本かわかりませんでした。
ほとんど全ページ、数式とグラフと図面で埋まってます。
家内によれば、大崎さんは、非常に頭脳明晰で温厚で常識的な方らしい。
その方が、「トラック設計指南」というのだから、そうなんだろうと思いますが、私には何の本かわからなかった。
ぜんぜんわからなかったかというと、そんなことはありません。
200ページのうち、5ページくらいわかった。
はじめの方で、民族のちがいは個人のちがいに比べるとたいしたことないと書いてある。
終わりの方で、「この本で中国と書いたのは、中国のごく一部のことで、全体像はとても語りきれない」というようなことが書いてある。
安心できる書き方です。
他に私が理解できたのは、日本のトラックメーカーと運送業者の関係について書かれたこんな部分です。
「日本には、トラックメーカーを鍛えてくれる大手運送業者がおり、・・・厳しい教師役を演じている」
「あらゆる限界的な使い方を行い、その結果として不具合モードを実証してくれているおかげで、日本のトラックのステアリングシステムは、世界でも例を見ない強固なものに鍛えられたとすら思える」
「この酷使のデパートともいえるユーザーの・・・」
このあたりは非常にわかりやすかったです。