キンドル無料本シリーズを読んでます。
古川ロッパという名前は、子供のころラジオで聞いた記憶はあります。
昭和の喜劇王とか爆笑王とかいわれた人です。
この日記も有名です。
昭和9年から昭和13年にかけての全盛期のころの日記を読みました。
「日記」というより「楽屋話」という感じで、期待したほどおもしろいものじゃなかったです。
とにかく大変な人気だったようです。
入場券を求める人があの日劇を二重で二回りの行列というんですから、「あの日劇」を知らない私でもすごいと思います。
ロッパさんは8割9割の入りでは満足できない。
満員でも満足してません。
補助席が埋まって初めて満足する。
そのあふれかえる客が笑い転げる。
セリフも聞こえないほど笑う。
何をしても笑う。
あんまり笑うので客が可愛くなってくるというんですからすごいもんです。
で、ロッパ一座は何をやってたのか?
歌あり踊りあり笑いあり涙ありの「お芝居みたいなもの」のようです。
演目は適当みたいで、けいこも適当みたい。
初日にセリフをおぼえてないのは当たり前で、うろおぼえではらはらしながらやるのも楽しいと書いてます。
プロンプターを頼ってごまかすのも当たり前。
風邪をひいて声が出ないので口だけパクパクさせてたら、客席から「聞こえね~ぞ!」と声がかかったけど、ロッパさんは「何も言ってないんだから聞こえないのが当たり前だ」とすましたもんです。
当時の劇場というのはレベルが低かったのかと思いますが、まあ今のテレビみたいなもんですかね。
一日の公演がすむと食べて飲む。
とにかくよく食べてよく飲む。
「こんなことではいけない。飲むのは控えて勉強しよう!」と日記には書いておこう、というロッパさん。
麻雀も大好きで、公演がすむと「さあ麻雀だ!」となって、「こんなことではいけない。麻雀は控えて勉強しよう!」と日記には書いておこうのロッパさん。
すさまじい体力です。
昼の部と夜の部の合間を縫って「余興」に駆けずり回ってます。
20分ほど漫談をして30円もらったり50円もらったりしてますが、いまの2、30万円でしょうか。
稼ぎまくってると思うんですがカネがない。
不思議です。
日記はほとんどが楽屋内と酒と食べ物と麻雀のことばかりなので、当時の人を爆笑させた人気絶頂の「爆笑王」の中身はわかりませんでした。