NHKTV『大相撲どすこい研』で「立ち合い」を取り上げてました。
大相撲通としてはこれは見逃がせない。
解説は元横綱稀勢の里の荒磯親方で、相撲界きっての理論派ですから実にわかりやすい解説であった。
実に深く幅広く考えてたんだなあと感心しました。
誰ですか、「それだけ考えてアレかいな」などと意地悪言うのは。
「相撲は立ち合いがすべて」とよく言います。
低く速く立って相手に圧力をかけるか一発で破壊する。
一番低いのは誰か、いちばん速いのは誰か、いちばん破壊力が大きいのは誰か。
NHKが保存する膨大な映像資料を分析して各部門のベスト5を選んだ。
で、勝負にはどれもあんまり関係ないんじゃないかと思いました。
すべての部門で白鵬がダントツナンバーワンだったというのなら納得ですが、ちがいました。
荒磯親方がいろいろ言ってたけど、理屈と実際はちがうというのか、理屈通りには行かないというのか、「立ち合いも大事なんだろうな」とは思いました。
荒磯親方が細かくあれこれ説明してくれたけど、とにかく白鵬じゃないですか。
理屈はどうか知らんけど、白鵬に出てもらわなければ話にならんでしょ。
みんなで勝手なこと言ってどうなるの。
途中からイライラしてきた。
膨大な資料はどうでもいい。
白鵬を出せ!
出ました。
最後にちょろっと出てひと言。
「立ち合いはスローモーションで見えるんです」
ス、ス、ス、スローモーション!?
そらあかんわ。
荒磯親方、ご苦労さんでした。
いろいろ考えに考えてはったけど、ぜ~んぶスローモーションで見えてたんですて。
横綱白鵬から見ると、稀勢の里がふわ~っと立って水中を漂うクラゲのようにやってくるんですな。
「えらい顔しとるなあ」と、吹き出しそうになるのをこらえる白鵬。
低さも速さも破壊力も関係ない。
荒磯親方もNHKもご苦労さん。