小学一年生のあきらくんは友達とふたりで学校へ行きます。
友達の名前は何度も聞いてるんですがおぼえられない。
あきらくんの家からまっすぐ西に歩いて我が家の前まで来て、左に折れて南に向いて歩いていく。
朝7時30分ごろ二階にいるとあきらくんたちが歩いていくうしろすがたが見える。
あきらくんの兄の4年生のゆうちゃんがいっしょに行ってやればいいと思うんですが行かない。
あきらくんたちの歩くのが遅いからだそうです。
これがおねえちゃんなら連れて行ってくれますよ。
男はダメだ。
なかのいい子熊のような兄弟なんですが子熊には弟の面倒はムリ。
あきらくんと友達が歩いていくうしろすがたを見てるとなんとなくさびしいような気持ちになってくる。
トシのせいであろうか。
なんでもかんでもトシのせいにするのはよくないけどトシのせいにしておけば角が立たない。
無難である。
たまにあきらくんと友達が帰ってくるのを見ることがある。
二人でぺちゃくちゃしゃべりながらこちらへ向かってくるのを見るのはうれしい。
トシのせいではなくてただ単に学校行くのがイヤで帰るのがうれしいという経験がよみがえってくるというだけの話であろうか。
よくわからないまま今日も二階からあきらくんたちのうしろすがたをしみじみと見送ったのであった。