高校美術部の友人S君から電話。
6月に個展をするというんです。
S君は個展マニアというか個展中毒というか個展をしまくってます。
何回したか本人もわかってない。
節目節目で「100回記念展」とか「300回記念展」とか銘打ってやればいいのに何回目かわからないからしかたない。
1000回は越えてるのではなかろうか。
10年ほど前、「これが最後の個展」と言ってきた。
あれほど創作意欲旺盛だったS君が・・・としみじみした。
画廊でしみじみと語り合ってしばらくしたらまた「これが最後の個展」。
しみじみもくそもなく「最後の個展」が何十回。
で、こんどもまた最後の個展かと言ったらちがうというんです。
芸術の女神の啓示を受けたというんです。
絵に対するこれまでの取り組み方がまちがっていたと気づいた。
「ぼくは生まれ変わった!」
生まれ変わってから最初の個展だというんです。
「これまでは絵は売れなくていいと思ってた。見に来てくれた人と楽しくひと時を過ごすせればいいと思ってた。そんなことではだめだ!買ってもらわなければ意味がない!来てくれよ!」
いつにない迫力にたじたじとなって電話を切ったのであった。