4月から始まったNHKの朝の連続ドラマの主人公は植物学者の牧野富太郎がモデルだそうです。
名前はよく見ます。
牧野富太郎の名前を見ると思い出すのは「大阪市立大学付属植物園」です。
子供のころ母はよく親戚周りをしました。
連れていかれるのは迷惑でした。
まず「よそいき」を着せられるのがイヤだった。
行った先で大人の話をじっと聞いてるのもイヤだった。
行く先は「鳳」「星田」「出口」「交野」「浜寺」「みのりえん」。
「みのりえん」以外は大阪府内の地名です。
「みのりえん」は幼稚園の名前で、父の姉一家が暮らしてたんですが、経営者が父の姉の夫のねえさんだったか、子供には理解不能であった。
ややこしいと言えば「星田」もわかりにくくて、そこのおばあさんが私の母方の祖父と兄妹同然に育ったという関係らしい。
その6か所を連れ歩かれて迷惑だったんですが、後年母は私や妹のことも考えてたんだと言ってました。
たしかに「出口」と「星田」は大きな農家で、牛がいたり鶏がいたり、タケノコ堀をしたりイチゴやえんどう豆を摘んだりもしました。
いろいろ考えてくれてたんでしょうが、私は「自然派」ではなかったからうれしくはなかったです。
「交野」の伯母の家に行った帰りに、近くにある「大阪市立大学付属植物園」に行くことになった。
交野の近くの私市(きさいち)というところにあったんです。
で、行ったんですが、ぼうぜんとしました。
人生初のぼうぜん、混乱であった。
なんじゃこれは?
小学2、3年生だった私は「大阪市立大学付属植物園」というものすごい名前からものすごいものを期待してたんだと思います。
だだっぴろ~~~い所になにもなかった。
と言うか、何物でもないものがあった。
木と草。
いまだにおぼえてるのは枯れかけたみたいなバナナの木。
以来、大阪市立大学付属植物園というと虚脱感と脱力感の象徴です。
牧野富太郎の名前を知ってから彼の名前と大阪市立大学付属植物園が分かちがたく結びついてしまった。
私にそれほど強い印象を与えたんだから大阪市立大学付属植物園に行ったことは、まあよかったんじゃないでしょうか。