若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

おしゃれな人

私は、中高年の、おしゃれな人が好きです。
「気合」を感じるからです。

朝、駅で見かける私と同じような年の男性。
この人は、どう変わってると言うのじゃないが、なんちゅうか、「おれを見ろ!」的気迫が感じられる。
駅で立っていても、視線を意識した立ち方である。

もう一人、ずんぐりでっぷりのの禿げ上がったおじさん。
この人は、たとえば、コートはしわしわのよれよれと見えるが、意識したしわしわよれよれである。
はげた頭を強調するごとく、大きなヘッドフォンを乗せているが、このヘッドフォンもルックス的に選ばれたものだと言うことがよくわかる。
他人の視線を意識しておられる。

十数年前、子供を幼稚園に迎えに行った。
お母さんたちに混じって、父親もちらほらいた。
若いお父さんが、運動場でしゃがみこんでいるのに気づいた。
実に不自然な姿勢で、上半身は、ロダンの「考える人」のような格好であった。
じっと身じろぎもせず地面を見つめている。
はじめ何か虫でも見てるのかなと思ったが、子供が出てくるまでその姿勢であった。

家に帰って、その不思議な「考えるパパ」の話をしたら、家内が笑って、あれはその人の「キメのポーズ」なのだと言う。
感心した。若くしてすでに自分の「美学」自分の「型」を持っておられる。
私など、この年になってもまだ「不知火型」とも「雲龍型」とも決めかねている。
いずれ、自分なりの「キメのポーズ」を編み出したいものと思う。

今朝の電車。
六十年配の男性が立っていた。
おしゃれな人だと思った。
まずひげが渋い。口ひげと短く刈り込まれたあごひげが渋い。
グレーのシャツが、これまた渋い。
ベルトは、アリゲーターかクロコダイルか、オストリッチか、がらがらヘビ、スマトラオオトカゲなどの野生動物の皮を剥いだものなのか、ビニールなのかわからん。
時計は、ロレックスか、オメガか、ウオルサムか百円ショップかよくわからん。
品物についてはよくわからん私であるが、気合はわかる。

ただ、首をかしげたのは、この人が缶コーヒーを持って車内で飲んでいたことである。
これもおしゃれなのか判断に迷う。
もう一つ。
透明のビニール傘を持っていた。それも、右手でつり革、左手に缶コーヒーということで、この傘をベルトにぶら下げている。
これもおしゃれなのか判断に迷う。

ご教示をお願いする次第である。