若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

講演会

昨日、京都で得意先の業界組合の全国大会があった。

京都駅の食堂で、外人客が、ショウウインドウの「うな丼」などを写真にとっていた。

この大会ではいつも役所の「講演」がある。
今年は、経済産業省の課長補佐の講演であった。
こういう人たちの講演は、過不足なく立派なものである。

何年か前、大阪府主催の危険物関係の会での講演には感心した。
講師は自治省の課長であった。
経歴を見ると、大阪府で財務を担当したり、滋賀県では文化財とか、自治省という役所はなんでもやるようである。
三ヶ月前に本省に戻って、消防を担当するようになった方である。

演壇に立つと、先ずそのことについて言われた。

自分は消防や危険物については素人で、御専門の皆さんに講演するのはおこがましいが、役職柄ということでご了解いただきたい。

約一時間、「危険物規制の動向」についての話。
原稿を見ない。
引火点など、細かい数字が出るところでチラッと見るくらいである。
部下が書いた原稿を暗記しているのであろう。
この人は学校の成績はよかったにちがいないと思った。

昨日はもう一人、京都で学習塾を経営している女性の講演があった。
50歳くらいで、いろんな肩書きを持った、「講演のプロ」らしかった。

この方の声は聞き取りにくかった。
葬儀場の司会みたいな話し方である。
助手の女性が二人いた。
一人はパソコンとビデオを操作するプロジェクター係。
会場の後ろに立っているもう一人を、「フロアは○○です」と紹介されたが、この人が何の係なのか最後までわからなかった。

「若者は愛情ある厳しい指導を待っている」という話であった。

エンディングは、助手の二人も先生と並んで演壇に立った。
プロジェクターのスクリーンには、夕焼け、打ち寄せる波、聳え立つ富士山などがエンエンと映し出されていた。
音楽は、中島みゆきの「プロジェクトX」のテーマであった。

内容はマトモな話であったが、なぜこういう大衆演劇みたいな終わり方をするのかわけがわからんのであった。

終わってから、講師への主催者からの謝辞があった。
深い知識と豊富なご経験に基づいた素晴らしいお話を有難うございました。
今伺ったお話を今後大いに活用させていただきたいと思います。

こういう時いつも思う。
このように面と向って歯の浮くようなお世辞を、一度言われて見たい。