若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「サンタクロースっているんでしょうか?」を読む

非常に有名な本だ。

1897年、ニューヨークのサン新聞社に、8歳の女の子から手紙が届いた。
友達が、サンタクロースなんかいないと言うのでお父さんに聞いたら、サン新聞に問い合わせてご覧と言われたのだ。

記者の答。
「あなたのお友達は間違っています。疑り屋は目に見えるものしか信じません。心の狭い人たちです」

ひどいではないか。
「サンタクロースはいない」と言った子に、こんなこと言っていいのか。
人の事を、心が狭いとか、頭が悪くて心が冷たいとか、三流作家だとか言うべきではない。

私が記者なら父親に手紙を書く。
「こんなことを新聞社に質問させてはいけません。ご家庭で対処していただきたい」

なぜ子供は、「サンタクロースは本当にいるの?」という疑問を抱くのか。
プレゼントを持ってくることになっているからだ。

この記者は、「信頼」や「愛」や「想像力」の重要性を訴えているが、子供にとって、それは言われるまでもないことだと思う。

問題は「プレゼント」だ。
これで子供がこんがらかるのだ。
「信頼と愛と想像力」の世界に「モノ」を持ち込むからだ。

長女が一年生の頃、「宇宙刑事シャイダー」という番組を楽しみにしていた。
「フーマ」とか言う化け物たちが暴れまわり、シャイダーが闘う。

ある時、娘が、「クラスで『シャイダーなんかいてないのに』て言う子がいる」と怒った。

宇宙刑事シャイダー大百科」と言う本を買ってやった。
出演俳優の経歴が書いてある。
悪役で、一万五千年生きているという「神官ポー」の俳優の欄を見て娘が叫んだ。
「えー!パパ!神官ポーは、昭和36年生まれってどういうこと?一万五千年生きてるのと違うの!?大帝王クビライは、昭和8年生まれ!?」

この頃、私の妹一家が、東京から引っ越した。
これにも、「東京はフーマがいるからな〜」

私は、ウチの娘は賢い、と思い込んでいたので、一連の発言は意外であった。

子供はこういう世界に生きている。
大人はできるだけ首を突っ込まない方がいいのだが、プレゼントを持って来ることにしてしまったり、東京で化け物を暴れさせたりするから、子供達が、「いったいどうなってるの?」と疑問に思うのだ。

この子は、「私たちの世界を引っかきまわさないで下さい」と言っているのかもしれない。