若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「問題な日本語」

『問題な日本語』という本が評判になっているらしい。
朝日新聞で紹介してあった。

「コーヒーの方お持ちしました」
「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」
朝日新聞の記者は、「何かおかしい。気になる」と書いているが、この二つは私は気にならない。
慣れてしまったからだろうか。
今私が、「スターバックス」や「マクドナルド」でアルバイトするとしたら、こういう言い方をすると思う。
商店などでの話し言葉は、特に不快感がなく意味が通じればそれでいい。

「コーヒーの方・・」は、「方」がおかしいのだろうが、言い方全体がおかしいとも言える。コーヒーを注文した客に、なぜわざわざ「コーヒーを持ってきました」と言うのか。
「お待たせしました」でいいんじゃないでしょうか。

「ご注文・・」も、注文を確認しているのだと言うことがわかるから、それでよろしい。
よく取り上げられる、「一万円からでよろしいでしょうか」というのも、「一万円受け取りましたよ」という確認だろう。

日本語はあいまいだと言われる。
はっきり言わなくてもわかるでしょう、はいなんとなく、の世界だ。
そういうことではいけない!ということになってきたのだろう。
はっきりモノを言おう、相手に確認しよう。
しかし、はっきりモノを言っていることが相手にはっきりわからないようにぼんやりとはっきり言おう。
きっちり確認する必要はあるが、お客様にきっちり確認するなど失礼であるし不細工であるから、きっちり確認ていることがばれないようにぼんやり確認しよう。
こういうことのように思う。

そして、日本語はいわゆる「標準語」だけではない。
上で問題にされているのはすべて「標準語」での話だ。
京都の舞妓さんは、「コーヒーどす」と言うだけだ。
「コーヒーの方持ってきたどす」とは言わない。

大阪では「ご注文は以上でよろしかったんでおましたやろかなー?」とは言わない。
鹿児島でも、「ご注文ば、以上でよかとたい?」とは言わない。

問題なのは、いわゆる「標準語」と、激しく変化する日本の社会だ。
昔、ある人が「ありがとう」と言う言葉について書いていた。
その人は、子供のころ、「ありがとう」と言って、おばあさんから、「おかしなことを言う子だね」と笑われたことがあるのだ。
言葉は変化する、ということを教えてくれたおばあさん、ありがとう。