若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

お通夜のお経はヘンだった

伯母が亡くなった。

私の伯父(母の兄)の奥さん。
この数年、要介護状態だった。

伯父は、戦前満州鉄道の要職にあったが、敗戦と同時にソ連軍に捕らえられシベリアに送られた。
敗戦の混乱の中で、妻は満州で幼い息子二人を残して亡くなる。
息子達は、祖母が命からがら日本に連れて帰る。
安心したのか、日本に着いてすぐ祖母も亡くなる。

昭和23年、シベリアから帰還した伯父は、舞鶴に迎えにきた息子から妻が満州で死んだことを聞いて驚く。
着のみ着のままでの生活が始まる。
そして、男の子を抱えた未亡人であった女性と結婚する。
これが、昨日亡くなった伯母だ。
伯母は、結婚する時、一人息子を実家に置いて来た。

伯父も伯母も、当時の普通の日本人としての辛酸をなめてきたといえるだろう。

お通夜に行った。

浄土真宗の葬儀であったが、お坊さんのお経がヘンだった。
美しいテノールなのである。
声がテノールだからか、「メロディ」も洋楽風に聞こえる。

若いお坊さんなら、お!これが浄土真宗のニューウエーブか!と思うところだが、年は私とたいしてかわらない。
この人は、家が寺なので仕方なく継いだが、実はキリスト教に憧れていて、大学ではグリークラブに所属、お経も「グレゴリオ聖歌」風になってしまう、という感じだ。

どう聞いても、お経に聞こえない。
カネをたたきながらの読経だが、カネよりパイプオルガンかシンセサイザーの方が合う。

お経というより、

合唱組曲:ビバ!阿弥陀仏
第一組曲「ピース:西方浄土への旅立ち:真白き蓮に誘われて」
第二組曲「ラブ:弥陀四十八願:救いの手はそこに」
第三組曲「グローリー:無量光明堂:大いなる静けさ」

読経の後、話をされたが、普通の声だ。
読経用のテノールだ。
やっぱり、グリークラブかな。

通夜の会場近くで、だんじり祭があって、歩くのもままならなかった。
帰りには、商店街でだんじりが転倒したところにぶつかってしまった。
怪我人が出て救急車が出動するなど、行きよりも混雑がひどかった。

帰ってから、テレビのニュースで、だんじりが転倒したことを伝えていて、私たちが通った商店街を映していた。
なぜかうれしい。

朝刊にも、その記事が出ていた。
なぜかうれしい。