若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

朝日新聞に問う

17日夕刊、社会面の見出し。

「80センチ棒の男:通勤電車遅れる」
なんじゃこれは?
謎めいた見出しではないか。

記事を読む。

17日朝、JR神戸線御着(ごちゃく)駅に停車中の電車の乗客から、「刃物を持った男がいる」と運転士に通報が入った。
運転士と駅係員が駆けつけたところ、80センチの白いプラスティック棒を持った男がいたので、念のため棒を預かった。乗客に怪我はなかったが、この対応のため電車二本が運休となり、十一本が最高十三分遅れ、通勤客ら一万三千人に影響が出た。

ますます謎が深まるではないか。
いったい何が言いたい?

この人は、一万三千人に影響を与えた悪い人なのか。
電車の運休と遅れに、責任があるのか。
「棒を持った男」という書き方からすると、「悪い人」のような気がする。
「棒を持った男性」なら悪い人ではなさそうに思う。

「念のために預かった」とはどういうことか。
「念のために、その白いプラスティック棒を預かります」
「はい、よろしくお願いします」
こういうやりとりだったのか。

いきなり、「乗客に怪我はなかった」というのも妙な書き方だ。
「80センチの白いプラスティック棒を持った男がいた」、しかし「乗客に怪我はなかった」
話がつながらんではないか。
「白いプラスティック棒」がよほど危険な物体のようだ。

「男は80センチの白いプラスティック棒を振り回して暴れたが、乗客に怪我はなかった」
これならわかる。

たまたま80センチの白いプラスティック棒を持って電車に乗ったら、刃物と間違ちがえられて通報され、念のためとはいえ取り上げられた挙句、一万三千人に影響を与えた男として新聞種にされてはたまらない。

見出しを変えた方がいいのではないか。
「プラスティック棒を刃物と見間違え:通勤電車遅れる」

刃物と聞いて、緊張して駆けつけた駅員は、プラスティックの棒だったので拍子抜けして、通報した乗客に文句を言ったそうだ。
「棒じゃありませんか」
「ぼうっとしてました」
「えーかげんにしなさい!」
「ほんとにネッ!」