若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

改宗

朝日新聞朝刊。

アフガニスタンの人が、ヨーロッパに行っている間にキリスト教に改宗して帰ってきた。怒った親族が訴えて、現在身柄を拘束されている。イスラムの法律だと、「背教者」として死刑になることもあるらしい。昔は、即死刑だったようだ。
「宗教」というのはわかりにくいが、こうなると私が思っているような「宗教」とだいぶ違う。個人の悩みを解決してもらったり、生き方がどうだとか、救いだとか、ちょっとお上品過ぎるようだ。

人間としてどうこう言う前に、人間か人間でないかというきつい線があるのか。この前読んだ、『キリスト教イスラーム』という本でも、「改宗」について書いてあった。

アッシジの聖者フランチェスコが出てきた。学生時代に、聖フランチェスコが主人公の「ブラザー・サン・シスター・ムーン」という映画を見た。わけがわからない映画だと思ったが、今見たら理解できるかも知れないし、もっとわけがわからんと思うかも知れない。
小鳥と話をするのだったか、なんかそういう高潔無邪気な善い人なのだ。
キリスト教イスラーム』に出てくる、聖フランチェスコも高潔で無邪気だ。イスラム教徒を改宗させようと単身乗り込んでいく。小鳥とでも話せるのだから、イスラム教徒とも話せばわかると言うのだろうか。

来られた方は迷惑だ。
改宗即死刑。高潔無邪気な善い人が、心を込めて一生懸命、キリスト教に改宗しなさいと勧めるのである。

明治時代に日本に来たイスラム系ロシア人について書いた本があるらしい。
アブデュルレシト・イブラヒムという人だ。
この人は、日本人はイスラム教に改宗するに違いないと言っている。
自分の目で見た日本の慣習や道徳、生活様式は、イスラムとほとんど同じだと言うのだ。特に夫婦の関係はイスラムの教えと完全に一致していて、「日本では妻は夫に絶対服従だ」。明治の話ですよ。

ただし、日本人は深い精神的な話はわからないので、イスラム教になったほうがトクだと思わせる必要がある。中国やインドネシアやロシアには、イスラム教徒がたくさんいるから、イスラム教徒になったら商売がうまくいきますよという風に攻めるのがいいそうだ。

この人は日本人をわかっているとも言えるしわかっていないとも言える。